彼等はそれでも踏み出す

彼等は何故この日を選んで
大空へと出発したのか

人々は上着を抑えフードを被る
木々は蠢き根元は軋む

それでも彼等は羽根を広げ
生を若しくは自由を目指す
遥かな知らない地の夢を見て

この厳しい流れの中で
チャンスを見出だすのか
地獄を見出だすのか
誰も知らない
知らないからこそ飛び出した

安寧の地を離れたのは
明日も安寧である保障が無いから
居心地は確かによかった
大切な家族の故郷でもある

でも今がその時だったのだ

フードの隙間から見えた彼等は
只々優雅で地上からのその姿は
厳しさを玩んでいる様だ

羽ばたいているでも停滞している
矛盾を感じるのに美しくもあり
羨ましくさえ見える

隊列を成して描く矢印は
きっと彼等の幸せの先

逆境の中でもゆっくりと確実に
彼等はその場所へと近づいているのだ

何故この日を選んだのか
疑問に思いながら僕等は
軋む木々の様に大地に根をはる

彼等が描く矢印を見上げたまま

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